○ユーロ圏の景気は、海外景気の回復を背景に2003年後半以降、持ち直しに転じる見込みである。しかし、記録的な猛暑、ユーロ高や原油高などの景気下振れ要因が重なり、2003年下期の実質ＧＤＰ成長率は前期比0.2％にとどまる。通年でも前年比0.4％と前年（同0.8％）を下回る低成長となろう。2004年には、輸出の一段の増勢と雇用環境の改善を背景に消費、投資へと回復の動きが波及する。この結果、2004年の実質ＧＤＰ成長率は前年比1.7％に高まる見通しである。

○ユーロ圏主要国（独仏伊西）の中では、スペイン景気の堅調さが目立つ一方、中核国（独仏伊）の景気は2003年中、低迷が続く。安定成長協定により、財政政策に制約があるものの、2004年については各国とも減税等により景気を下支えする方針である。2005年に予定されていた個人所得税減税の1年前倒しが決まっているドイツの成長率は、2001年以来の1％台を回復する見込みである。

○英国景気は個人消費が底堅く推移するうえ、内外需の持ち直しから投資の回復が見込まれるため、実質ＧＤＰ成長率は2003年2.0％、2004年2.6％を見込む。

2003年～2004年の改訂欧州経済見通し

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