○地球環境の保全や我が国経済の持続的発展のため、循環型社会形成推進基本法や、家電リサイクル法などが成立し、環境問題への対応が社会システムの中に組み込まれるようになってきている。

○愛知県では、循環型社会の実現を重要なテーマとする「愛・地球博」（愛知万博）が2005年に開催される。愛知県においては、家庭でのゴミの分別回収や、企業における再生資源の活用が積極的に行われている。こうした事情もあって、県民１人あたりのゴミ排出量や、資源の再生利用率などをみると、愛知県は全国の中でも進んだ地域になっている。

○環境問題への対応は、今後一段と加速するとみられる。こうしたなか、技術革新や新商品の開発などを通じ、新たなビジネスが生まれる可能性もある。環境省によると、環境関連市場の規模は2000年の30兆円から2020年に58兆円へ倍増する見込みである。

○産業連関表を用い、環境関連市場の拡大が愛知県経済を押し上げる効果を試算すると、２０２０年までの２０年間で、愛知県のGDPは３．４兆円（年平均でGDPの０．５％程度）拡大すると見込まれる。特に、製造業では、愛知県の「ものづくり」の強さが寄与し、環境関連需要を取り込み、大きなメリットを受ける可能性がある。

○上記の環境関連の潜在的な需要を顕在化させるためには、地域の連携を一段と強め、リサイクル技術の共同研究やリサイクル情報の共有化などを進めることが必要である。そううした取り組みによって、愛知県としては循環型社会のモデルケースを構築し、環境分野におけるフロントランナーとして発展していくことが求められる。

環境の時代と愛知県経済

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