中国経済は好調を続けている。政府は投資過熱を警戒しているが、利上げを含む一段の引き締めを行う前に、今しばらく経済情勢を見守る姿勢を採っている。
2004年後半は、投資が本格的な調整に入り、実質GDP成長率は前半の10％前後に対し、8％程度まで減速する。なかでも投資は大幅に鈍化する。輸出も、世界景気の影響を受け伸びが鈍化しよう。一方消費は、雇用環境の改善などから堅調を続ける。2004年は総じて見ると、投資が調整に向かう中、投資と消費のアンバランスがわずかであるが改善に向かい、持続的成長への準備を進める踊り場の年になるといえる。2004年の成長率は8.7％と予測した。
2005年は、前半は減速基調を続けるが、後半には企業の投資意欲の改善や海外景気の再加速などから徐々に回復に向かおう。政府は、外国企業による大型投資が一巡してくることもあり、投資と消費のバランスが取れた成長に向かおう。2005年の成長率は7.2％と予測した。
リスクとしては、(1)投資抑制策が全体として効かず、中期的な設備過剰感が一段と強まる。借入依存度の高い企業の中には財務を悪化させ、デフレ、信用不安をもたらすところが出る。(2)投資抑制策が効きすぎ、投資と消費のアンバランスは解消するが、投資がスパイラル的に縮小してしまう、という両面が考えられる。

中国短期経済予測（2004～2005年）

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