デフレ懸念が高まる中、苦境に立つ中国製造業

2024/03/19 丸山 健太
調査レポート
海外マクロ経済
アジア
中国

1.デフレ懸念が高まる中国経済

2023年後半から、中国ではデフレ懸念が高まっている。消費者物価指数(CPI)は2023年3月以降、前年比+1%を下回る低い伸びが続き、10月から翌24年1月にかけて4カ月連続で前年割れした。また、経済全体の物価動向を示すGDPデフレータ(物価の変動を表す指標で、名目国内総生産(GDP)を実質GDPで割ったもの)は、2023年通年で前年比-0.6%と8年ぶりにマイナスに陥った。

2023年のGDPデフレータを業種別にみると、ゼロコロナ政策の撤廃を受け、需要が急回復した運輸・郵便(前年比+5.2%)や宿泊・飲食(同+3.9%)などの対面型サービス業では前年から大きく上昇した一方、製造業(同-3.2%)の下落幅の大きさが目立つ(図表1)。2023年のCPIの内訳をみても、サービス価格(前年比+1.0%)は上昇した一方、財価格(同-0.3%)は下落した。

続きは全文紹介をご覧ください。

テーマ・タグから見つける

テーマを選択いただくと、該当するタグが表示され、レポート・コラムを絞り込むことができます。