～米経済を下支えする好調な企業部門～

○米国の成長率は住宅投資の減少などにより低下しているが、一方で、減速している家計部門に代って企業部門が下支えすることで、米国景気は失速を回避し、軟着陸するとの期待がある。本稿ではサービス業の収益に焦点をあて、米国の企業収益の持続性について考察した。

○米国の産業構造をみると、経済のサービス化が進展し非製造業、特に狭義サービス業のウエイトが高まっている。狭義サービス業は、就業者数に占める割合も高い。

○狭義のサービス業とは、具体的には「専門サービス」、「教育・医療」、「レジャー・娯楽」、「その他のサービス」の４業種である。このうち「専門サービス」は高度な技能を有する職種であり、業種別就業者数では第２位の大きさを占めている。「教育・医療」、「レジャー・娯楽」、「その他のサービス」についても、売上高の拡大が続いている。

○一般に米国企業について生産性の伸びが加速していることが注目されているが、狭義サービス業の生産性は水準、上昇率ともに低い。このため狭義サービス業では需要の安定的な拡大が企業業績の好調に寄与しているといえる。2000年代以降をみると、製造業が循環的な下降局面入りした場合でも、サービス業の安定的な拡大が持続し、ＧＤＰ成長率の失速を回避してきたことが分かる。

米国非製造業の企業収益

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