○景気の現状

2004年4～6月期の実質GDP成長率は前期比+0.4%(年率+1.7%)と9四半期連続のプラス成長となった。景気回復が続いていることを示す結果であったが、プラス幅は昨年度後半に比べて縮小しており、回復の勢いが鈍化している。

○見通しのポイント

景気が先行き減速するという懸念は現実のものになるのか、それとも一時的な調整で終わるのか。今回の見通しのポイントになるのは、(1)海外景気の減速と原油価格上昇の影響、(2)デジタル関連分野を中心とした在庫調整の可能性、(3)企業収益減速の可能性と設備投資回復の持続性、(4)所得の回復力が弱い中での個人消費拡大の持続性、の4点である。

○2004／2005年度経済見通し

輸出と設備投資を中心に民需主導の景気回復が続いているが、2004年度後半には海外景気の減速を受けて輸出が減速してくる。さらに、企業収益が伸び悩んでくる年度末には設備投資も減少し、景気は調整局面に入ってくるだろう。ただ、年度を通してみれば、2004年度の実質成長率は+3.1%と3年連続のプラス成長を、また名目成長率は+1.2%と2年連続のプラス成長を予測する。

2005年度は前年度からの景気減速が続くが、年度後半には海外景気の回復を受けて持ち直してくる。輸出が再び拡大し、これが生産や企業収益の回復をともなって設備投資を増加させる。2005年度の実質成長率は+0.6%と4年連続のプラス成長を見込むが、名目成長率は－0.6%と3年ぶりのマイナス成長を予測する。

2004年度、2005年度を通じて、個人消費と政府消費は増加基調が続き、住宅投資と公共投資は減少基調が続く。ただ、2005年度になると、雇用･所得環境の悪化を背景に個人消費は増加の勢いがやや弱まるのに対して、公共投資は減少幅が縮小してくる。物価は景気回復と一次産品価格の上昇を受けてデフレ圧力が後退しているが、景気が減速してくる2005年度には再び低下する。

2004／2005年度改訂経済見通し（2004年8月）

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