12月8日に内閣府から公表される2023年7～9月期の実質GDP成長率（2次速報値）は、前期比－0.4%（前期比年率換算－1.6%）と1次速報値の前期比－0.5%（年率換算－2.1%）から上方修正される見込みである。ただし、修正は小幅であり、修正後もマイナス幅は大きく、「景気は緩やかに持ち直しているが、一部に弱さが見られる」との判断は維持されることになろう。

1次速報値は3四半期ぶりにマイナス成長に陥ったが、景気が緩やかに回復する中でのスピード調整の動きであり、景気腰折れを示唆するものではない。ただし、内需が2四半期連続でマイナスとなるなど内容も弱く、先行きに対して不安が残る結果となった。また、マイナス成長に陥った原因のひとつとして、物価高によるマイナスの効果が大きかったことが挙げられ、物価上昇圧力が落ち着いてくるかどうかが今後の景気回復のペースにとって重要なカギとなることが改めて示された。

2次速報値については、外需寄与度に大きな修正はない見込みであり、上方修正は内需によるものである。具体的には、本日発表された7～9月期の法人企業統計の結果を反映して、設備投資が上方修正されると予想される。また、在庫投資も上方修正される可能性がある。一方、個人消費、住宅投資、政府消費の伸び率に大きな修正はない見込みである。

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