11月15日に公表された2023年7~9月期の実質GDP成長率は、前期比-0.5%(年率換算-2.1%)と3四半期ぶりのマイナス成長に陥った。基本的には、景気が緩やかに回復する中でのスピード調整の動きであり、景気腰折れを示唆するものではないが、内外需ともにマイナスとなるなど内容も弱く、回復力は力強さに欠けることが改めて示された。マイナス成長に陥った原因のひとつとして、物価高によるマイナスの効果が大きかったことが挙げられる。
需要項目ごとの動きを見ていくと、内需のうち実質個人消費は前期比-0.04%と小幅ではあるが減少した。内訳を見ると、コロナ禍明け後の需要回復を受けて、宿泊・飲食サービス、旅客輸送、レジャーといった対面型サービスへの支出が増加し、サービスは同+0.2%と4四半期連続で増加した。一方、自動車の販売減などにより耐久財が同-3.3%と減少したほか、半耐久財(被服・身の回り品など)が同-0.5%、非耐久財(食料、エネルギー、日用品など)が同-0.1%とそれぞれ落ち込んだ。財については、価格上昇圧力が強まっており、消費者マインドの悪化を受けて購入を控える動きが広がっている可能性がある。
実質住宅投資は、資材価格の高騰などの影響で持家や分譲住宅を中心に新設着工件数が緩やかに減少していることを反映して、前期比-0.1%と5四半期ぶりにマイナスに転じた。
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