2024年1~3月期のGDP(2次速報)結果~大きな修正はなく、景気が足踏み状態にあることを改めて示す結果~
2024/06/10 小林 真一郎
GDP統計
GDP
国内マクロ経済
6月10日発表の2024年1~3月期の実質GDP成長率(2次速報)は、前期比-0.5%と1次速報と同じ伸びとなった(ただし、年率換算では-2.0%から-1.8%に小幅に上方修正)。修正幅はわずかであり、昨年度中は景気が足踏み状態にあったことを改めて示す結果である。
需要項目別に1次速報からの修正状況をみていくと、家計関連では、実質個人消費は前期比-0.7%から修正はなかった。財別の内訳を見ると、品質不正問題による自動車の生産・販売停止の影響などにより耐久財が同-11.5%(-12.2%を上方修正)と急減し、個人消費全体を大きく押し下げた。また、価格高の影響による節約志向の高まりによって非耐久財(食料、エネルギー、日用品など)が同-0.2%(-0.1%を下方修正)と4四半期連続で減少したほか、半耐久財(被服・身の回り品など)は同-0.1%(+0.2%を下方修正)と3四半期連続でマイナスとなった。一方、サービスは同+0.8%(+1.0%を下方修正)と堅調に増加した。宿泊・飲食サービス、旅客輸送、レジャーといった対面型サービスへの支出は底堅さを維持しており、個人消費の落ち込みの緩和に寄与した。
実質住宅投資は、資材価格の高騰などの影響で住宅着工戸数が弱含んでいることを反映して、前期比-2.5%とマイナスが続いた(修正なし)。
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