11月17日に内閣府から公表された2025年7～9月期の実質GDP成長率（1次速報値）は、前期比－0.4%（年率換算－1.8%）と6四半期ぶりのマイナス成長に陥った。トランプ関税によるマイナス効果が本格的に表れたことや、制度変更の影響で住宅投資が急減したことがマイナス成長の主因である。一方、内需の柱である個人消費、設備投資は共に増加基調にあり、下振れ懸念が強まる中にあっても景気の持ち直しの動きは維持されている。

需要項目ごとの動きを見ていくと、内需のうち個人消費は前期比＋0.1%と小幅に増加した。これで6四半期連続でのプラスであり、緩やかな増加基調が続いている。ただし、雇用者報酬など所得が順調に増加していることと比べると伸びが弱く（同期の実質雇用者報酬は同＋0.6%と順調に増加）、物価高を背景に強まっている消費者の節約志向が引き続き支出の伸びを抑制している。財別の動きを見ると、自動車を中心に耐久財（自動車・家電など）が同－1.3%、衣料品が振るわなかった半耐久財（衣料品・身の回り品など）も同－0.1%と減少した一方で、猛暑の影響でアルコール類を含む飲料品などが好調だった非耐久財（食料・エネルギー・日用品など）が同＋0.2%と小幅に増加したほか、外食の好調などによりサービスも同＋0.1%と増加した。

実質住宅投資は前期比－9.4%と急減した。住宅着工件数は、年度末にかけて省エネ基準への適合義務化等を前に駆け込み需要が発生して急増したが、4月以降は反動によって急減しており、その影響が時間差をともなって表れた。

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2025年7～9月期のGDP（1次速報）結果～トランプ関税のマイナス効果の本格化で6四半期ぶりのマイナス成長に陥る～

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