大企業の業況判断DIは製造業、非製造業ともに小幅悪化
本日発表された日銀短観(2019年9月調査)における大企業製造業の業況判断DI(最近)は、前回調査(2019年6月調査)から2ポイント悪化の5となった。内訳をみると、底堅い内需と弱い外需という構図が浮かび上がってくる。
業種別にみると、素材業種は6ポイント悪化の3、加工業種は1ポイント悪化の6だった。素材業種は、中東情勢の混乱により原油価格が不安定となっていることを受け、化学や石油・石炭製品で悪化したほか、市況の低迷が続く非鉄金属でも大きく悪化した。加工業種では、海外経済の減速や円高が重荷となる自動車やはん用機械、生産用機械などで悪化した。一方で、内需の堅調さを反映し、業務用機械や電気機械が改善した。電気機械については、消費増税前の駆け込み需要や半導体需要の下げ止まりも押し上げ要因になったとみられる。
大企業非製造業は、前回調査から2ポイント悪化して21となった。令和への改元効果が剥落した宿泊・飲食サービスや運輸・郵便、小売の悪化が影響した。特に小売は駆け込み需要の恩恵を受ける業種であるが、7月の天候が不順だったことや、調査時点では駆け込み需要が鈍かったことから、結果的に盛り上がったとみられる需要の強さが業況判断に反映されなかったと考えられる。その一方で、好調なソフトウェア投資が追い風となる情報サービスや、公共工事の増加が下支えとなった建設、人手不足を背景に人材派遣を中心に好調であったとみられる対事業所サービスなどが改善し、引き続き内需は堅調であることが確認された。
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