1. 大企業の業況判断DI～製造業は小幅に改善、非製造業は横ばい

本日発表された日銀短観（2025年12月調査）における大企業製造業の業況判断DI（最近）は、緩やかに景気の持ち直しが続く中、前回調査から1ポイント改善の15となった。1ポイントずつと小幅ではあるが、3四半期連続と着実に改善している。素材業種は交易条件の改善などを背景に、紙・パルプ、化学、石油・石炭などを中心に改善した。一方、加工業種は、トランプ関税の影響が薄らぐことで改善傾向にあった自動車が小幅に悪化に転じたものの、需要が底堅い電気機械、販売価格の引き上げが進んでいる食料品などで改善した。

大企業非製造業の業況判断DI（最近）は、前回調査から横ばいの34となった。3四半期連続での横ばいだが、水準は歴史的にみても高い。宿泊・飲食サービスが中国人観光客の減少への懸念もあって小幅に悪化したが、活発な企業活動を背景に対事業所サービスが改善したほか、需要の底堅さを反映してその他の業種でもおおむね高い水準での推移が続いている。

先行きについて、業況判断DI（先行き）は、大企業製造業では横ばいの15、大企業非製造業では6ポイント悪化の28となった。製造業では、海外景気の減速、地政学リスクの高まりといった懸念材料がある一方、トランプ関税によるマイナスの影響にめどがつきつつあることや円安がプラス材料となっている。非製造業では、人手不足の深刻化、物価高の継続、海外需要の減速が国内需要に波及することへの警戒感から悪化が見込まれているが、先行きに慎重な見方をする企業が多いという特徴があり、これまでの悪化の範囲内にとどまっている。

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日銀短観（2025年12月調査）結果

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