コモディティ・レポート(2022年10~12月)

2023/01/16 芥田 知至
コモディティレポート
商品市況

Ⅰ.コモディティ市況全般:1月上旬に11カ月ぶり安値

ドル建て国際商品市況全般の動向を示すリフィニティブ・コアコモディティCRB指数は、2022年6月9日には2011年9月以来の高値をつけた後、2023年1月5日には2022年2月以来の安値をつけた。世界景気後退懸念が払しょくされない一方で、中国のゼロコロナ政策撤廃や米利上げ減速が押し上げ要因として意識され、当面、コモディティ相場は、方向感を欠いた不安定な推移になりやすいと思われる。

Ⅱ.エネルギー市況:12月上旬にブレントは75ドル台、WTIは70ドル台まで下落

国際指標とされるブレント原油は、3月上旬に2008年以来の高値をつけた後、12月9日には75.11ドルと2021年12月以来の安値をつけた。年初にかけてブレントは87ドルまで持ち直したが、その後12月の安値に迫った。強弱材料が交錯する中、方向感なく不安定な推移になりやすいだろう。

Ⅲ.ベースメタル市況:銅は1月中旬に9,200ドル台と半年超ぶり高値

銅相場は、3月7日に10,845ドルと史上最高値を更新した後、7月15日には一時6,955ドルと2020年10月以来初めて7,000ドルを下回った。足元は9,200ドル台まで持ち直している。米利上げや中国のコロナ感染拡大を材料とした相場展開が続くが、先行き不透明感が強く、不安定な相場になりやすいだろう。

Ⅳ.貴金属市況:金相場は1月中旬に1,900ドル台と8カ月ぶりの高値

金相場は、2022年3月8日には2,069ドルと史上最高値に迫った後、9月28日には一時1,613ドルと2020年4月以来の安値をつけたが、2023年1月12日には1,900ドル台を回復した。先行き、景気・インフレの鈍化が明らかになると見込まれ、長期金利の抑制や金相場下支えにつながりやすい状況になろう。

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