Ⅰ.コモディティ市況全般:4月に約10年ぶり高値
ドル建て国際商品市況全般の動向を示すリフィニティブ・コアコモディティCRB指数は、上昇基調で推移しており、4月18日には2012年9月以来の高値をつけた。中国での新型コロナ感染拡大や米金融引き締めなど下押し要因もあるが、当面、ウクライナ情勢による押し上げ圧力は続き、インフレに強い投資先を探す投資行動もあって、コモディティが買われやすい状況が続く可能性がある。
Ⅱ.エネルギー市況:3月上旬にブレントは139ドル、WTIは130ドルまで上昇
国際指標とされるブレント原油は、3月7日に139.13ドルと2008年7月以来の高値をつけた。石油輸出国機構(OPEC)がロシア産の供給減を補うことに消極姿勢なこともあり、ウクライナ情勢が一段と悪化したり、西側諸国による対露制裁が強化される場合には、原油相場は再度高値を追う可能性がある。
Ⅲ.ベースメタル市況:3月上旬に10,845ドルと史上最高値を更新
銅相場は、3月7日に10,845ドルと史上最高値を更新した。当面、世界景気の動向よりもウクライナ情勢を反映した銅相場の堅調が続くとみられる。さらなるウクライナ情勢の悪化や対ロシア制裁の強化があれば、銅相場が一段高となる可能性もあろう。
Ⅳ.貴金属市況:金相場は3月上旬に2,000ドル超と史上最高値に迫る
金相場は、3月8日には2069.89ドルと2020年8月につけた史上最高値に迫った。原油高が一方でインフレヘッジの金買いを促し、他方で景気後退リスクを高めて安全資産である金への需要を喚起している。インフレ高進や景気悪化への懸念を背景に金は高止まりしやすい状況とみられる。
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