１．原油市況～景気拡大を背景に上昇基調

原油相場（WTI、期近物、終値）は、4月10日に1バレル＝68.74ドルにまで上昇し、昨年の9月初め以来の高値を記録している。5日に発表された米国の週間在庫統計においてガソリン在庫が大幅に減少したこと、9日に一部機関により米国が対イランの爆撃を検討との報道がされたこと、などが原油相場の押し上げ材料であった。

直近（4月10日時点）の先物カーブを見ると、価格のピークは2007年1月物と「半年強先」になっている。足元の世界景気の堅調さを反映して、目先の需給逼迫懸念が強まっているものとみられる。なお、2006年8月物～2007年12月物が71ドル以上の価格がついている。

足元の原油需給は緩和気味であるが、一方で多様な供給リスクが懸念されている。こうした中、当面、米国を中心とした世界景気の拡大やガソリン需要の増加が原油相場の押し上げ材料として意識される可能性がある。

２．トピック～主要国の発電源の動向

原油をはじめとしたエネルギー原料の値上がりが、各国の電気料金などに影響を及ぼしているとされる。今回は、各国の発電源の状況について調べてみた。

各国の発電源への依存状況と電力価格の間には、どういった関係がみられるであろうか。化石燃料についてみると、化石燃料への依存度が高い国は、電力価格の安い国から高い国まで、ばらつきが大きいことが分かる。これは産油国など資源国において、地の利を得た発電が行われている一方で、自国に資源が乏しい国でも、輸送に便利な石油などを用いた発電が行われているためと考えられる。

原油をはじめとしたエネルギー資源価格の高騰は、化石燃料を輸入して発電している国の電力価格に影響を及ぼすと考えられる。一方、水力発電や原子力発電の多い国や、化石燃料を利用していても安価な随伴ガスを利用できる産油国などでは、原油高などの影響は小さいと考えられる。

原油レポート No.77 主要国の発電源の状況

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