１．原油市況～下げ止まり

原油相場（ＷＴＩ、期近物）は、１月前半に大幅に下落し、18日には一時1バレル＝50ドル割れとなった。しかしその後、相場は下げ止まり、月末にかけて値を戻し、31日の終値は58.14ドルであった。

月前半の相場の下げ材料としては、米国北東部が暖冬で推移していたこと、サウジアラビアが追加減産に消極的な姿勢を示したことなどがある。一方、後半の相場押し上げ材料としては、米国北東部に寒波が到来したこと、米国が戦略石油備蓄（ＳＰＲ）の積み増し計画を発表したことなどがある。

冬場は気温の変動に伴う暖房需要の変動が相場を左右する展開が続くであろう。その後は、世界景気は今年半ば頃にかけて再加速が予想され、原油相場は上昇基調に転じてくるものと予想される。

２．トピック～乱高下する原油相場をどうみるか

1月は原油相場の上げ下げの幅が非常に大きかった。原油相場（ＷＴＩ、期近物）は、12月末に1バレル＝61ドルであったものが、18日には一時50ドル割れまで下落した。しかしその後、相場は持ち直し、31日には58ドル台を回復した。

こうした相場の変動要因として、今回は、(1)「暖冬から厳冬へ」という天候要因、(2)サウジアラビアおよびＯＰＥＣの減産への姿勢、(3)上昇相場・下落相場の変動を大きくする「市場内部要因」、(4)中国・米国の備蓄関連のニュース、(5)地政学リスクに対する市場の反応の変化、といった点が指摘できる。

こうした点を検討してみると、短期的に原油相場を押し上げたり、押し下げていた要因が双方とも、あまり材料視されなくなっており、足元の景気実勢と中長期的な要因に見合った水準に相場が落ち着いてきていると考えられる。

原油レポート No.97 乱高下する原油相場をどうみるか

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