【日本経済の景気概況】

6月の鉱工業生産指数は前月比－1.2％と2ヵ月ぶりに減少し、4-6月期は前期比－0.6％と6四半期ぶりの減少となった。6月は輸出数量（内閣府季調値）が前月比－1.9％と、5月（同－0.2％）と比べて減少幅が拡大したほか、5月の鉱工業生産指数が前月比＋2.6％と比較的高い伸びを示した反動もあったと考えられる。しかし、製造工業生産予測指数によると、7月は前月比＋0.7％、8月は同＋2.7％が見込まれている。当月見込みと実績値との乖離率で示される実現率がマイナスで推移しており、実績では下振れする可能性があるものの、業種別にみると、6月の実現率がプラスとなっている輸送機械や電子部品・デバイスなどを中心に生産拡大余地がある。

設備投資は緩やかな回復が続いている。設備投資の先行指標である機械受注（船舶・電力を除く民需）は、5月が前月比＋6.5％と大幅な増加となった。4-6月期は内閣府の見通し(前期比－10.5％)を大きく上回る可能性が高く、6月が前月比－7.2％を上回れば2四半期連続して前期比プラスとなる。

個人部門では、１人あたり賃金が前年並み水準を回復するなど、所得が持ち直すなかで、消費はおおむね横這いで推移している。消費支出は、これまで比較的安定していた基礎的支出が２ヵ月連続して減少するなど弱い動きも見られるが、消費者マインドの悪化傾向に歯止めがかかっており、選択的支出が減少幅を縮小している。住宅は、6月の新設住宅着工戸数が前年比＋13.4％と高い伸びを示した。内訳をみると、住宅ローン減税の期限(2003年12月末入居分まで)を前にした駆け込み着工が出た持家が前年比＋20.9％と13ヵ月ぶりの増加となったほか、貸家も前年比＋13.8％と2ヵ月ぶりの増加となった。また、6月のマンション契約率は供給抑制効果もあり、15ヵ月ぶりに80％台を回復した。

グラフで見る景気予報（2003年8月）

お問い合わせはこちら

テーマ・タグから見つける

テーマ

タグ