【日本経済の景気概況】

景気は緩やかに回復している。12月の鉱工業生産は前月比－1.0％と4ヵ月ぶりに低下した。しかし、出荷は前月比＋1.6％と上昇し、在庫は前月比－1.4％と低下して引き続き低水準にあることを考慮すると、今後の生産の落ち込みを示唆するものではないと考えられる。生産の予測指数は1月前月比＋3.6％と上昇し、2月は前月比－4.5％と低下が見込まれている。

生産の増加を牽引しているのは、輸出と設備投資である。輸出数量は増加傾向が続いている。アジア・中国向けが全体を牽引し、EU向けもプラス圏で堅調に推移している。低迷している米国向けも自動車輸出の落ち込み一巡などによってマイナス幅が縮小してきている。円高が懸念材料であるが、当面は世界景気の回復を背景に輸出数量は増加傾向で推移するものと考えられる。また、設備投資の先行指標となる11月の機械受注は、10月に前月比＋17.4％と大幅に伸びた反動もあり、同－7.8％の減少となった。内閣府の10－12月期見通し（前期比＋12.0％）の達成は微妙な状況にあるが、前期比では増加が見込まれる。当面は輸出と設備投資が堅調に推移することが見込まれることから、生産もしばらくは増加基調を維持することが期待できる。

個人部門は、12月の百貨店売上高（東京地区）が前年比－4.7％と25ヵ月連続のマイナスとなっており、依然として厳しさが見られる。しかし一方では、1月の新車登録台数（乗用車、軽を含む）は前年比＋4.2％と2ヶ月連続のプラスとなっており、12月の新設住宅戸数は前年比＋9.4％と6月以来の高い伸びとなっている。このように、消費など個人部門は強弱両方の動きがあり、今後も一進一退の動きが続く見込みである。

需給動向を反映する国内企業物価は、12月に前年比－0.1％と下落幅が大きく縮小している。内訳をみると、国際商品市況上昇の影響により素材価格が上昇しているほか、需要が拡大している電気機器等のハイテク関連の価格も下落幅が縮小している。足元では原油価格の騰勢が再び強まっており、国内企業物価は川上段階からインフレ圧力が強まっている。

グラフで見る景気予報（2004年2月）

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