【日本経済の景気概況】

景気の回復が続いている。輸出の拡大にも助けられて企業収益の回復が続き、設備投資が増加している。04年3月期の決算発表が始まり、輸出関連企業を中心に業績の回復を裏付ける好決算が相次いでいる。

3月の鉱工業生産は、前月比＋0.1％と小幅ながら再び増加に転じた。在庫は2ヶ月連続の増加となったが、依然として低水準で推移しており、在庫面から生産活動が抑制される可能性は低い。04年1-3月期の生産は前期比＋0.3％と、03年10-12月期(同＋3.7％)に比べ伸びが鈍化したが、4-6月期は予測指数（4月同＋5.6％、5月同＋2.2％）の高い伸びからすると再び増勢を強める可能性が高い。

生産増加によるキャッシュフローの増加を背景に、設備投資の拡大基調は続いている。ただ、設備投資の先行指標である機械受注（船舶・電力を除く民需）は、1月大幅減（前月比-12.2％）の後、2月に再び増加（同+4.9％）に転じたものの、同1-3月期では前期比減少となる可能性が高く、伸びが一服しそうである。

個人消費は、3月の実質消費（勤労者世帯）が、前年比－0.5％と5ヶ月ぶりの減少となったが、可処分所得が同＋0.9％と3ヶ月連続の増加となり所得環境に持ち直しの動きが見られる。完全失業率が4.7％と2001年3月以来の水準まで低下する等、雇用環境の改善も続いており、消費は底堅い動きが見込まれる。

3月の輸出数量が前年比＋14.2％となるなど、輸出の伸びが高まっている。世界的なデジタル製品需要の高まりを背景に半導体等電子部品が依然として好調であり、ＥＵ向けを始めとした自動車輸出の好調も全体を牽引している。

グラフで見る景気予報（2004年5月）

お問い合わせはこちら

テーマ・タグから見つける

テーマ

タグ