【日本経済の景気概況】

景気の回復が続いている。2004年1～3月期の実質ＧＤＰ成長率は、前期比＋1.4％（年率＋5.6％）となった。個人消費が同＋1.0％と堅調に推移したほか、設備投資が同＋2.4％と増加を続けた。外需寄与度も同＋0.3％とプラス寄与を続けた。

4月の鉱工業指数によると、生産は前月比＋3.3％、出荷は同＋3.9％と、ともに増加した。生産の予測指数は5月同＋3.5％、6月同－1.5％となり、生産は高水準で推移する見込みである。一方、在庫は3ヶ月連続で増加した。

2004年1～3月期の機械受注（船舶・電力を除く民需）は、高い伸びを示した2003年10～12月期の反動もあって、前期比－5.6％と２四半期ぶりの減少となった。4～6月期の内閣府見通しは、同－3.2％と２四半期連続の減少が見込まれている。

個人消費は増加傾向が続いている。4月の実質消費支出（勤労者世帯）は前年比＋7.2％と大きく伸びた。所得は世帯主・配偶者ともに伸び、可処分所得は同＋3.3％となった。所得環境の持ち直しが続いており、消費は当面回復傾向が見込まれる。

4月の輸出金額は前年比＋10.8％と、2桁の伸びが4ヶ月連続で続いている。地域別では、アジア向けが全体を牽引したほか、ＥＵ向けも増加傾向を続けている。東欧・ロシア・中東向け輸出も拡大しており、輸出先に広がりが出ている。

4月の国内企業物価は前年比＋0.5％と、上昇幅が拡大した。原材料高を背景に素材が上昇を続けているほか、需要増加を背景に電気機器も下落幅が縮小している。ただ、足元では原油を除いた国際商品市況は下落に転じており、今後、川上段階からのインフレ圧力が一服する可能性がある。

グラフで見る景気予報（2004年6月）