グラフで見る景気予報 (2022年3月)

2022/03/02 調査部
グラフで見る景気予報
国内マクロ経済

【今月の景気判断】

緊急事態宣言の発出と解除、新規感染数の増加と減少に合わせて経済活動の制限と緩和が繰り返される中、年明け以降のオミクロン株の感染拡大を受けて、景気は緩やかに持ち直しているが、一部に弱さが見られる。外需においては、インバウンド需要は消失したままであるが、自動車の生産が回復してきたことで財の輸出は持ち直している。内需においては、雇用が緩やかに改善し、賃金が緩やかに増加する中、個人消費は感染第5波の収束後、対面型サービス需要や自動車販売などを中心に持ち直していたが、オミクロン株の感染拡大で、多くの都道府県でまん延防止等重点措置が実施されていることもあり、年明け以降は持ち直しが一服している。一方、企業部門では、業績回復を背景に景況感が改善し、設備投資は緩やかに増加している。ただし、対面型サービス業を取り巻く環境は引き続き厳しく、業種間での業績格差は開いた状態にある。今後は、オミクロン株の感染拡大によって一時的に景気が足踏み状態に陥る懸念がある。もっとも、足元で感染は収束に向いつつあり、春先以降は感染拡大防止と経済活動の両立が進む中で、対面型サービスを中心に個人消費が持ち直すと期待されるうえ、大型の経済対策の効果が現れるため、景気の緩やかな持ち直しは続こう。景気の下振れ要因は、オミクロン株の感染収束の遅れに加え、ウクライナ情勢の緊迫化によって、資源価格が急騰し、世界経済を悪化させることである。物価上昇が個人消費を抑制し、交易条件の悪化による企業業績の悪化が設備投資を下押しし、世界経済の減速が輸出を減少させれば、春先以降の景気回復の勢いを削ぐリスクがある。

【今月の景気予報】

今月の景気予報2022年3月

【当面の注目材料】

  • ・新型コロナ関連~オミクロン株の感染動向、3回目のワクチン接種の状況、経済活動と感染対策の両立の在り方
  • ・個人消費~オミクロン株の感染拡大・物価上昇の影響、春闘の賃上げを含む賃金動向
  • ・企業部門~ウクライナ情勢緊迫化による業績への影響、グローバルサプライチェーン停滞のリスク

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