2017年東海3県主要集客施設・夏休み集客実態調査~台風等の天候不順で、対前年比減の施設が増加~

2017/10/12 内田 克哉、加藤 千晶
東海
独自調査

三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社(本社:東京都港区 社長:村林 聡)は、「2017年東海3県主要集客施設・夏休み集客実態調査」(東海地方の主要集客施設89施設へのアンケート調査(2017年9月))を実施し、集客数について回答を得た88施設の夏休み(7月21日~8月31日の42日間)の集客実態を分析しました。

【結果概要】

  • 今年の夏休みは、天候不順が続いた事が影響し、全88施設のうち、47施設(約53.4%)が前年を下回る結果となった。特に、8月上旬に発生した台風5号の影響や、ゲリラ豪雨が相次いだ事や、集客が見込める土日祝に雨天が集中したこともあり、屋外型施設を中心にイベント開催中止等を余儀なくされた。35施設(約46.1%)は「雨天は悪影響を及ぼした」と回答し、このうち29施設を屋外型施設が占めた。
  • 全体的な傾向として、近隣の施設との連携や、地域イベントとの相互集客により、集客を高めた施設があった一方で、近隣に商業施設や同種施設が開業したことにより、マイナス要因となった施設もあった。
  • 夏休みの夜間営業・夜間特別イベントは年々定番化してきており、今年の夏休みでは14施設が実施し、集客の増加に寄与している。また、外国人の来訪については、「大幅に増えた」、「増えた」を合わせて約24%を占めている。

【各施設の状況】

  • 集客数トップは、「ナガシマリゾート」(三重県桑名市)で246万人。次いで「刈谷ハイウェイオアシス」(愛知県刈谷市)が約121万人、「国営木曽三川公園・河川環境楽園 自然発見館」(岐阜県各務原市)が約97万人、「中部国際空港セントレア」(愛知県常滑市)が約83万人と続き、前年と順位の変動はなかった。
  • 「ラグーナテンボス」(愛知県蒲郡市)は、「変なホテル」の開業や、ナイトプール開催により、新たな客層を取り込み、前年の6位から5位に位置付けた。また、「東山動植物園」(名古屋市)は、前年の14位から12位に位置付けている。毎年8月に実施している夜間開園での集客が好調であったことや、隣接する「東山スカイタワー」のナイトイベントとの相乗効果により、両施設ともに集客が増加した。
  • 対前年比増減1位(273.5%)の「愛知県美術館」(名古屋市)は、企画展(大エルミタージュ美術館展)が好評だったことに加え、前年、一部期間で企画・常設展示室が閉室していたこともあり、集客数が大幅に増加した。
  • 対前年比増減2位(156.3%)の「名古屋市国際展示場 ポートメッセなごや」(名古屋市)では、7月27日~30日に開催された「ロボカップ2017名古屋世界大会」が、外国人を含む競技者、観戦者で約13万人の来場があり、大きく増加した。同施設の近隣施設である「リニア・鉄道館」も集客を伸ばしている。あおなみ線で、「ロボカップ2017名古屋世界大会」と「リニア・鉄道館」(名古屋市)の入場・入館料割引等の特典が付いた一日乗車券が発売されたことも、集客増加を後押ししたと思われる。
  • 「名古屋市東谷山フルーツパーク」(名古屋市)は地域と連携した企画を実施し、また「セラミックパークMINO」(岐阜県多治見市)、「川越電力館 テラ46」(三重県川越町)は、子ども向けのイベント企画が好評であり、家族での来館者が増え、それぞれ集客数増加の要因となった。また、「名古屋港水族館」(名古屋市)や、「国営木曽三川公園・河川環境楽園 自然発見館」(岐阜県各務原市)では、新施設のオープンが集客増加につながった。また、「でんきの科学館」(名古屋市)は、一部施設が最新VRを取り入れてリニューアルされてから初めての夏休みとなり、集客増加の要因となった。
  • 2017年4月に開業した「レゴランド®・ジャパン」(名古屋市)は数値非公開のため、調査対象としていない。

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