マテリアルズ・インフォマティクス

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マテリアルズ・インフォマティクス(MI)とは、製品設計等にビッグデータ、AI、機械学習等の情報科学(インフォマティクス)の手法を取り入れることにより、材料開発のスピードを向上させる取り組みを指す。
製品設計にシミュレーションや理論計算といった計算科学や情報科学の手法を取り入れる取り組みは以前からあったが、近年のデジタル技術の進展により、扱えるデータの質、量が爆発的に増加してきており、これらのデータを解析することで製品設計のさらなる高速化を図ることを目的としている。

マテリアルズ・インフォマティクスで扱うデータには、論文データや特許情報から集めた公開情報と、企業内で実施される実験や理論計算から得た内部情報の両方が用いられる。このようにして多くのデータを蓄積し、機械学習により処理することで特性の予測や試作方法の立案等を行う。
近年では、多くの元素が複雑に関係する触媒や金属合金、電池材料等でその有効性が示される事例が数多く発表されている。

マテリアルズ・インフォマティクスの予測精度を上げるためには、質の良い大量のデータが必要であるが、現状ではまだ十分な材料データがそろっているとは言い難い。質の良いデータとしては成功事例のみならず失敗事例のデータも重要で、そういったデータを公開情報から収集したり、企業内データから整理・蓄積したりといった、データ量の増加が求められている。また、最近は、量子コンピューティングの適用による大規模シミュレーションの実施も検討されている。