リーンキャンバス

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アメリカの起業家アッシュ・マウリャにより開発された、スタートアップのビジネスモデルを検討するためのフレームワーク。LC(Lean Canvasの略)とも呼ばれる。

事業構造を把握するための汎用ツールである「ビジネスモデルキャンバス(Business Model Canvas、BMC)」をベースとしている。
作成手順はBMCと同様(ビジネスモデルを9要素に分解したうえで、要素ごとの検討結果を所定のテンプレートに記入)だが、構成要素はスタートアップにとって重要なものにフォーカスしている。
起業や新規事業のアイデアを短時間でシンプルに可視化・検証できるため、効率的なブラッシュアップが可能、メンバー間の認識共有が容易、といった利点がある。
リーンキャンバスは、ビジネスモデルを以下の9要素に分解したうえで、要素ごとの検討結果を所定のテンプレートに記入していく。

(1)顧客の課題(Problem)
   顧客が解決する必要のある課題は何か(複数ある場合は上位3つに絞り込み)

(2)顧客セグメント(Customer Segments)
  どのような顧客(群)をターゲットとするか

(3)独自の価値提案(Unique Value Proposition)
  顧客課題に対してどのような独自の価値を提案できるか(自社製品の強みを加味)

(4)ソリューション(Solution)
  顧客課題をどのような策で解決するか(ある程度具体的に記載)

(5)チャネル(Channels)
  顧客にどのような経路で価値提案を行うか

(6)収益の流れ(Revenue Streams)
  どのようなタイミング・価格でどのような種類の収益を獲得するか

(7)コスト構造(Cost Structure)
  コストはどのくらいかかるのか

(8)主要指標(Key Metrics)
  成長度を測る指標は何か(コスト構造における損益分岐点をベースに設定)

(9)圧倒的な優位性(Unfair Advantage)
  競合他社に対して自社が持つ圧倒的な優位性は何か(情報・人脈・ブランドなど、製品以外の面から記載)

事業アイデア検討の初期段階においては、いきなりすべての項目を埋めたり、各項目の正確性を追求したりする必要はない。まずはアイデアの基礎となる「(1)顧客の課題」「(2)顧客セグメント」「(3)独自の価値提案」等を埋めたうえで、仮説検証とブラッシュアップを繰り返していくことが望ましい。

(村上 大吉)