AIME Healthcareとの覚書締結について~AIを活用した感染症の流行拡大予測等の事業展開に関する協力~

2019/09/24

Please see the above PDF file for English version.

三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:村林 聡、以下、MURC)は、AIME Healthcare Sdn Bhd(本部:マレーシア クアラルンプール、CEO:Mohd Helmi Zakariah、以下、AIME Healthcare)との間において、AI・ビックデータを活用した分析技術を基に、アジア太平洋地域におけるAMR(Antimicrobial Resistance:薬剤耐性)対策を中心に、感染症の流行拡大予測や、その他のヘルスケア分野におけるデータ解析に関する事業の連携を進めるべく、覚書を締結いたしましたのでお知らせいたします。
この覚書は、MURC とAIME Healthcareが、感染症の流行拡大予測に関する領域で双方の専門的な知見を持ち寄り、AMR対策における国際的な協力体制を築き、関係を強化することによって、感染症拡大予測システムの普及を促進することを主眼に置いています。感染症拡大予測システムの普及においては、現地関係者との革新的なプロジェクトの形成等にも共同で取り組んでいくことも視野に入れています。さらに両社は、健康増進を促す事業を推進するため、健康・栄養等に関するデータ解析システムを普及させる取り組みにおいても協力していきます。

1.趣旨・背景

1980年代以降、既存の抗菌薬が効かないAMRを持つ細菌が世界中で確認されています。このため、感染症の予防や治療が困難になるケースが増えており、今後も抗菌薬の効かない感染症が増加することが予測されます。AMRが与える疾病負荷、経済負荷に関する試算によると、このまま対策が取られなければ、AMRに起因する死亡者数は、2050 年までに全世界で年間1,000万人に上り、現在のがんによる死亡者数より多くなると予想され、世界のGDP(国内総生産)の損失額は100兆米ドルに及ぶと推定されています※1。グローバル化による人の流動化が進む今日、AMR対策は各国が直面する喫緊の課題です。
MURCではCenter on Global Health Architectureを設置し、国際保健(グローバルヘルス)の課題解決に取り組んでおります。その取り組みの一つとしてAMR対策にも注力しています。今回、感染症(デング熱、ジカ熱等)の流行状況や気象情報等をAIによって分析し、3ヶ月先の流行拡大を予測するシステムを有するAIME Healthcareとの覚書を締結するに至りました。同システムによる分析結果は、いつ、どの地域に、医療従事者やワクチン・医薬品等を供給するのが最適であるかといった意思決定に活用されます。また、AIME Healthcareはこのような研究開発の経験をAMR対策においても活用すべく準備を進めています。
MURCとAIME Healthcareは、AMR対策事業や健康・栄養等の分野におけるデータ分析システムの活用を通じて、効果的な保健事業の普及促進を図っていきます。本覚書は、AIME Healthcareが有する分析システムの周知を行うとともに、両社の知見やネットワークを共有しながら現地関係者と共に、感染症の予防対策をはじめとしたヘルスケアの領域での協業を促進することを目的として締結するものです。

2.各組織の概要

AIME Healthcare Sdn Bhd (AIME Healthcare)

AIME Healthcare Sdn Bhd は、2016年に米国シリコンバレーに設立された(デラウェアC法人)AIME (Artificial Intelligence in Medical Epidemiology) Inc.の関連会社として2017年にマレーシアで設立されました。AIME Healthcareは主にマレーシアおよびアジア太平洋地域でのサービス提供を担っています。
AIME Healthcare が提携するAIME Inc.は、AIのアルゴリズムを活用した感染症の流行拡大予測システムの研究開発を行い、2017年のForbes Top 40 World Changersをはじめ様々な受賞歴があり、国内外から高い評価を得ています。同社のシステムは、2016年のリオデジャネイロオリンピックでのジカ熱流行に対する対策にはじまり、マレーシアにおける様々な都市でデング熱の拡大予測検証に使用されています。
今後、AIME Healthcareは、AIME Inc.が開発したAIや機械学習を活用した分析システムの展開を通して、アジア太平洋地域におけるAMR対策を促進することを目指しています。
ホームページ:AIME Inc.

三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社

三菱UFJリサーチ&コンサルティングは、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)のシンクタンク・コンサルティングファームです。東京・名古屋・大阪を拠点に、民間企業向け各種コンサルティング、国や地方自治体の政策に関する調査研究・提言、経営情報サービスの提供、企業人材の育成支援、マクロ経済に関する調査研究・提言など、幅広い事業を展開しています。
本件は、グローバルヘルスの課題解決を図る当社組織 Center on Global Health Architecture が担当しています。
ホームページ:https://www.digitalsociety.murc.jp/globalhealth/architecture/index.html
Facebookページ:https://www.facebook.com/cgha.murc/
Linkedinページ:https://www.linkedin.com/company/25078975/

※1 The Review on Antimicrobial Resistance Chaired by Jim O’Neill (December 2014), Tackling a crisis for the health and wealth of nations, https://amr-review.org/Publications.html

本件に関するお問い合わせ

三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社
ソーシャルインパクト・パートナーシップ事業部/Center on Global Health Architecture|小柴・成沢
〒105-8501東京都港区虎ノ門5-11-2オランダヒルズ森タワー
E-mail:ath-ch@murc.jp

報道機関からのお問い合わせ

コーポレート・コミュニケーション室|竹澤・杉本
TEL:03-6733-1005
E-mail:info@murc.jp