三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社（本社：東京都港区、代表取締役社長：池田 雅一）は、2022年11月に「経営人材サクセッションに関するサーベイ」を実施しました。このほど調査結果を取りまとめましたのでお知らせいたします。

1.調査趣旨と結果概要

本サーベイは、コーポレートガバナンス・コードや人材版伊藤レポート2.0において重視されている経営人材のサクセッション（後継者計画の策定・実施）に関し、日本企業の取り組みを把握することを目的に実施したものです。

本サーベイの調査結果サマリーについては、以下ページ内の「実績のご紹介＞2022年度のサーベイ」よりご確認ください。なお、サーベイにご協力いただいた企業には、調査結果全体のレポートを無料配布しております。

「サクセッションプラン」に関するサーベイ

※2024年4月19日訂正　資料ダウンロードフォームを通さずにご確認できるよう修正いたしました。

(1)調査趣旨

近年いっそう早く大きく変化する経営環境や、コーポレートガバナンス改革の進展、および人的資本経営や開示に関する新たな要請等の下、社長・CEOをはじめとした経営人材サクセッションの重要性がより高まっています。そこで本サーベイでは、サクセッションに関する企業の課題・実態に踏み込むべく、実務において直面する課題やとりうるアクションなど具体的な選択肢を中心に設問を設計しました。

(2)調査結果のポイント

回答企業のうち、プライム市場上場企業の集計値に基づきポイントを解説します。
（なお、無回答や無効な回答を除いて集計しており、設問ごとに有効回答数の差異がみられます。）

①社長の人材要件を設定している回答企業は約半数

経営人材サクセッションにおいては、設定した人材要件をもとに、候補者の選出、育成、評価を一連の仕組みとして実施することで、実効性を確保することが求められます。本サーベイの結果では、社長について人材要件を設定している企業は約半数ありましたが、育成・評価を含む一連の取り組み全体を実施している企業は約4分の1程度でした。【図表1】。

②経営人材サクセッションにおける最も大きな課題は、後継者としての「質」を満たした有能人材の確保

サクセッションにおける課題については、6割超の企業が候補者としての「質」を満たした人材の不足をあげています。次いで、約5割の企業が「量」の面の不足を課題として回答しています。一方で、その解決策となりうる「若手の抜擢」は進んでいない状況が伺えます。【図表2】。

③今後重要度が増すと想定される社長の思考・行動は、「未来志向」「ビジョン設定」「変革の実行」

過半数の企業が、「未来志向」「ビジョン設定」「変革の実行」を今後重要度が増す社長の思考・行動として回答しています。経営環境変化の複雑化や、先行きの不透明さが常態化する中で、中長期的な目指す姿を描き、従来の延長線上にはない変革を進めることが社長に求められていると伺われます。【図表3】。

④約2割の企業で、指名委員会や社外役員の適切な関与・助言が不足

サクセッションの取り組みにおいて客観性や実効性を高めるためには、指名委員会や社外役員の適切な関与が求められます。今回の回答企業のうち約2割において、サクセッションについて「社外役員は全く関与していない」または「実施結果の報告を受けている」と回答しており、関与の薄さが伺われました。【図表4】。

2.調査概要

■クレジット表記について
本調査結果の引用に際しては、必ず下記クレジットを明記してください。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング「経営人材サクセッション（後継者計画）に関するサーベイ（2022年度）」

【本件に関するお問い合わせ】

三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社
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