三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社（本社：東京都港区、代表取締役社長：池田雅一）は、厚生労働省より令和7年度老人保健健康増進等事業の採択を受け、以下の事業を実施することになりましたので、お知らせいたします。

≪各事業の概要≫

【テーマ番号：26】
中山間地域等における安定的な介護サービスの提供に資するための方策に関する調査研究

介護サービスは、利用者や家族の方々にとって欠かせないものであり、中山間地域や離島等においても、地域の実情に応じて、安定的な介護サービスの提供体制を確保することが重要である。

こうした観点から、介護保険法では、中山間地域等の特性にかんがみ、基準該当サービスや離島等相当サービスなど介護サービス事業所の運営にあたって課される基準の緩和措置を講じているところであるが、特に離島等相当サービスについては、その活用が十分に進んでいるとはいえない状況にある。

このため、本事業では、全国の自治体の離島等相当サービスの運用実態や活用意向等を調査し、有識者や地方自治体、事業者団体等により組織する委員会等において、活用の妨げとなり得る要因を分析した上で、中山間地域等における当該サービスの活用を促進する方策を検討し、その結果を報告書にとりまとめる。

【テーマ番号：33】
第10期介護保険事業計画の作成に向けた質の向上及び在宅介護実態調査のあり方に関する調査研究

① 令和6年度老健事業で更新された「介護保険事業計画の手引き」を踏まえ、第10期介護保険事業計画に向けて、都道府県・市町村の計画担当者に対する研修を実施する。
（研修内容の例）

第10期計画の作成に向けて留意すべきポイント
計画作成にあたり実施する各種実態調査の実施方法や調査結果の計画への反映方法
点検ツールなど計画作成に活用できる複数の効果的なツールや活用方法　等

② 在宅介護実態調査等の各種調査について、計画作成にあたっての活用実態を把握した上で、介護予防や総合事業等の取組の評価や地域における将来的なサービス需要の適切な推計に資するものとなるよう、有識者による検討を行う。

【テーマ番号：38】
速やかな要介護認定の実施のための調査研究

要介護認定は、要介護者・要支援者の状態に応じて適切なサービスを給付するための介護保険制度の根幹をなす仕組みであり、その効率性及び迅速性が求められている。例えばがんや臓器不全の末期等の心身の状況が急激に悪化する方に対しては特に速やかな要介護認定やサービス提供が求められており、認定手続きに特段の配慮が必要であることを踏まえ、厚生労働省から事務連絡発出や保険者の取組の調査等を行ってきた。

本事業では、令和6年度要介護認定適正化事業で実施した全国の保険者のがん等の方に対する速やかな介護サービスの提供の取組に係る調査を踏まえた課題整理及び迅速に認定が実施されていない事例の調査分析を踏まえた速やかな要介護認定の実施に係る具体的な提案を行う等、要介護認定の効率性及び迅速性に係る調査研究を行う。

【テーマ番号：40】
居宅療養管理指導等に係る在宅医療・介護連携の調査研究事業

居宅療養管理指導は、医師、歯科医師、薬剤師、管理栄養士又は歯科衛生士等が、通院が困難な利用者に対して、療養上の管理及び指導を行うことにより、その者の療養生活の質の向上を図るものである。在宅医療・介護を支える居宅療養管理指導について実態調査を行い、在宅で生活する利用者の状態及び課題と、それに対する各専門職による居宅療養管理指導の支援の内容・効果、充足状況、課題等を把握する。また、医療機関、介護事業者や高齢者施設等との連携状況、入退院支援、急変時対応、看取り対応や社会的処方等における居宅療養管理指導の果たす役割について調査し、より効果的な居宅療養管理指導の在り方について検討することを目的とする。

【テーマ番号：45】
訪問看護事業所の事業継続に係る課題解決に向けて求められる関係団体の機能及び連携に関する調査研究事業

人口減少も進む中で、2040年に向け、医療と介護のニーズを併せ持つ85歳以上の高齢者の急増、在宅療養者の増加が見込まれるが、事業継続に課題を抱える訪問看護事業所が多いことも明らかとなっている。事業継続には、人員や利用者確保といった全国共通の課題のほか、地域や事業所固有の課題もあり、規模が小さな事業所単体の努力のみでは解決できない課題も増えている。

本事業では、訪問看護総合支援センター、都道府県訪問看護ステーション連絡協議会、都道府県看護協会、都道府県ナースセンター、自治体等における訪問看護事業所の事業継続に向けた支援と連携の実態を調査し、事業継続に向けた支援の強化に必要な機能及び関係者間の連携のあり方を提示するとともに、収集した事例をまとめる。

【テーマ番号：46】
通所介護・地域密着型通所介護・認知症対応型通所介護の今後の運営の在り方に関する調査研究事業

通所介護・地域密着型通所介護・認知症対応型通所介護では、心身機能の維持・向上、認知症や重度者への対応、社会的孤立の解消、家族介護者の身体的・精神的負担の軽減を図ることを目的として、自立支援・重度化防止に資する多様なサービスが提供されてきた。一方、必ずしも地域のニーズに応じたサービス内容の適応が十分ではなく、近年では休止・廃止に至る事業所も生じており、全国の事業所数や利用者数が横ばいの状況となっている。本事業では、先行研究等の結果を踏まえ、今後、通所介護・地域密着型通所介護・認知症対応型通所介護に期待される役割に関する各種事項について、それを実現するための人員配置や人材育成の状況、実施に至らない理由（課題・制約等）、それらを解決するための工夫等について調査を行う。そして、より多くの事業所が地域のニーズに応じた機能の重点化を図ることができるよう、必要な支援の視点等を整理し、考察することを目的とする。

また、調査においては令和6年度報酬改定で見直しが行われた事項についても対象とする。特に入浴介助加算について、改定後の当該取組の実態を把握し、利用者の居宅における自立した入浴の取組を促進する観点から、残された阻害要因や今後の更なる普及促進に向けた検討を行う。

【テーマ番号：65】
介護予防・日常生活支援総合事業における多様なサービス・活動の計画的整備や効果検証手法に関する調査研究

「総合事業の充実に向けた工程表」において、市町村は多様なサービス・活動の利用対象者モデル等を踏まえて多様なサービスの見込み量の推計や計画的な整備を行い第10期介護保険事業計画に反映するとともに、国は総合事業の効果検証手法についての具体化を進めることとしており、第9期介護保険事業計画期間中にこれらの取組の具体化等のための方策の検討が求められている。

本事業では、総合事業の評価の視点を踏まえた総合事業の見込み量等の検討に必要となる事項・情報を整理し、モニター市町村での活用結果を踏まえ、標準的な計画策定・評価ツール（案）などを作成する。

【テーマ番号：92】
海外における外国人介護人材の獲得力強化に関する調査研究事業

令和6年度事業においては、外国人介護人材の確保のための、海外への戦略的な働きかけについて、外国人介護人材受入に関わる政府機関、学識経験者、地方自治体、介護事業者等有識者から成る検討委員会を開催し、併せて令和5年度補正予算（外国人介護人材受入促進事業）の実施状況等のフォローアップを行うことを通じて、海外から介護人材を戦略的に確保する方策を検討し、送り出しルートの類型化や課題、各国の現状把握等一定の成果を得たところ。令和7年度においても継続し、令和6年度事業で把握した課題分析及び国別のワーキンググループでの検討を行うことにより、海外現地への働きかけの強化に資する方策を検討する。

【テーマ番号：97】
介護福祉士養成校既卒者に対する国家資格取得に向けた支援に関する調査研究事業

介護福祉士養成施設の国家試験合格率は、全体で7割～8割を推移しており、福祉系高校の国家試験合格率は、全体で8割～9割を推移している。合格の内訳をみると、既卒者の再受験における合格率は新卒に比べてかなり低く、特に留学生の再受験者の合格率は1割強となっている。養成校の卒業者の多くが介護現場に就職をしている状況から、就労と学習の両立が課題となっている。令和6年度老健事業「介護福祉士養成施設における国家試験合格に向けた取組に関する調査研究事業」において、国家試験合格で卒業した者への支援が不足している状況を把握した。就労しながら合格を目指す受験者に対しては、介護現場、介護福祉士養成校、職能団体などがそれぞれの立場から支援をする取組が必要である。

介護福祉士養成校の既卒者に向けた国家試験合格に向けた支援の状況を把握し、その上で、必要な取組について検討しガイドラインを作成する。

【テーマ番号：99】
介護事業所における中間マネジャーのあり方・育成等に関する調査研究事業

介護事業所において、地域の高齢化、労働力の現状や見通し等地域の状況を的確に把握しつつ、人材の確保・定着・育成、職場環境の改善等に向け、実効性のある取組を推進する上で、現場感覚と経営視点を有し、現場と経営層のハブとなる中間マネジャーについて重要性が高まっているとの認識のもと、事例等も踏まえつつ、介護事業所における中間マネジャーに求められる能力やスキル、育成のあり方等について、研究し、そのために必要な環境整備等について検討する。

【テーマ番号：115】
複雑化・複合化した課題を抱える高齢者とその家族を支えるための地域支援事業における家族介護者支援のあり方に関する調査研究事業

介護保険法に基づく地域支援事業を活用した家族介護者支援として、各市町村において、介護知識・技術習得等を内容とした教室の開催、介護者の家族等へのヘルスチェック等が行われている。家族介護者支援に関する重要な視点として、家族介護者を「要介護者に対する介護力」として支援するのではなく、家族も主の対象として捉え、家族介護者自身の「生活・人生の質を維持・向上させる」ために何が求められているのかを考え、取り組んでいくことがあげられる。本事業では、市町村や地域包括支援センターが行う家族介護支援事業の実態把握のためのアンケート調査やヒアリング調査により、家族介護者を取り巻く変化を踏まえつつ、当該事業の活用有無にかかわらず現在の家族のニーズにあわせた効果的な家族介護者支援を行っている自治体の実態や事例収集をとおして、家族介護支援事業のあり方について検討し、報告書にとりまとめる。また、別冊で、本事業で実施したアンケートやヒアリング結果を活用して、市区町村や地域包括支援センター向けに家族介護者支援事業の取組事例集を作成する。

本件に関するお問い合わせ

三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社
コーポレート・コミュニケーション室　　廣瀬・竹澤　　E-mail : info@murc.jp

令和7年度 老人保健健康増進等事業の実施について

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