2023年夏期 東海3県主要集客施設・集客実態調査の結果を公表~新型コロナ5類移行後初めての夏休みも、半数以上の施設で前年割れ お盆期間中の台風直撃や猛暑による出控えが悪影響~
三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:池田 雅一)は、「2023年夏期東海3県主要集客施設・集客実態調査」の結果をとりまとめましたので、お知らせいたします。
1. 本調査について
本調査は、東海3県(愛知県、岐阜県、三重県)の主な集客施設90施設を対象に夏期の集客実態を把握するためアンケート調査(2023年9月~10月)を実施し、有効回答を得た79施設の夏期(7月21日~8月31日の42日間)の集客実態を分析しました。
今回の調査では、新型コロナウイルス感染症流行(以下、新型コロナ)前[※1]との状況比較のため、22年、23年に加え、19年の集客状況も参考値として掲載しています。
2. 調査結果の要旨
(1) 集客数上位施設について
集客数上位5施設の集客状況は下表の通りとなりました。
施設名 (所在地) |
集客数 (対前年比) |
結果分析 | |
---|---|---|---|
1 | ナガシマリゾート (三重県桑名市) |
約226万人[※2](14.7%増) | 17年連続で首位。19年の集客数の約85%まで回復。 |
2 | 刈谷ハイウェイオアシス (愛知県刈谷市) |
約105万人 (5.2%増) |
19年の集客数の約88%まで回復。 |
3 | 中部国際空港セントレア (愛知県常滑市) |
約81万人 (36.0%増) |
対前年の伸び率は約36%と高いが、19年の集客数の約68%にとどまる。 |
4 | 河川環境楽園 (岐阜県各務原市) |
約74万人 (0.7%増) |
集客数は前年より微増。19年の集客数の約81%まで回復。 |
5 | バンテリンドームナゴヤ (旧ナゴヤドーム) (愛知県名古屋市) |
約64万人 (37.2%増) |
対前年の伸び率は約37%と高く、19年の集客数の約79%まで回復。 |
(2) 対前年比増加率上位施設の動向
増加率1位(847.4%増)の「岡崎公園」(愛知県岡崎市)は、23年放映の大河ドラマ「どうする家康」に合わせて園内に開館(23年1月)した「どうする家康 岡崎 大河ドラマ館」により集客力が向上し、対前年比で大幅増となりました。対19年比で見ても170.2%増と、新型コロナ前の水準を大幅に上回りました。大河ドラマ「どうする家康」の関連では、増加率第6位(95.9%増)の「徳川美術館」(愛知県名古屋市)も、関連性の高い企画展が奏功し、集客増となっています。
増加率2位(379.6%増)の「名古屋市国際展示場」(愛知県名古屋市)は、コンサートをはじめとする興行利用回数の増加が好影響となりました。22年10月に開業した“新第1展示館”の利用も集客増を後押ししたと見られます。
増加率3位(148.4%増)の「愛・地球博記念公園」(愛知県長久手市)は、22年11月に園内に開園した「ジブリパーク」やイベント開催の増加が集客増をもたらしました。
(3) コロナ5類移行後初めての夏休みで集客が期待されるも、5割強の施設で対前年割れ
今年は、前年に引き続き新型コロナによる行動制限のない夏休みであったことに加え、新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行後初めての夏休みとなり、一層の集客の伸びが期待されました。しかしながら、例年多くの集客を見込めるお盆期間中に台風が直撃し、休業・イベントの中止等を余儀なくされたことや、猛暑による出控えが悪影響となり、全78施設[※3]のうち5割強(52.6%)の41施設で前年割れとなりました。
お盆期間中の台風の直撃は約9割(88.5%)、猛暑は約7割(68.0%)の施設で集客に悪影響をもたらしました。特に屋外型施設では全22施設のうち、約9割(90.9%)の20施設で前年割れとなり、前年より増加した施設は2施設にとどまったことからも、天候による影響の大きさが見てとれます。
調査結果の詳細につきましては、当社ホームページ掲載のレポートをご覧ください。
https://www.murc.jp/library/report/seiken_231121/
本件に関するお問い合わせ
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[※1] 新型コロナ感染防止のための「新型コロナウイルス対策の特別措置法」は19年度(20年3月)に成立しましたが、本調査では1回目の緊急事態宣言の発出(20年4月)前の19年度を「新型コロナ前」と設定しました。
[※2] 「ナガシマリゾート」は19年は7/13~9/1(51日間)、22年は7/16~8/31(47日間)、23年は7/15~8/31(48日間)の値。
[※3] 対前年比較可能な施設。