トルコ大統領選前倒しの背景にある経済の悪化~意識される通貨危機のリスク

2018/04/23 土田 陽介
調査レポート
海外マクロ経済

○トルコのエルドアン大統領は4月18日、大統領選挙と議会選挙を6月24日に前倒すと発表した。有力な対抗馬が不在である中で、エルドアン大統領の再任は確実な情勢である。

○こうした中で意識されるのが通貨危機のリスクである。既に下落が続くリラであるが、再選後に政治経済運営の不透明感が増すことを嫌気した投資家がリラに売りを浴びせる可能性には注意を要する。

○トルコで通貨危機が生じた場合の悪影響は広範囲に及ぶが、とりわけトルコ向けに多額の債権を抱える南欧の銀行へ悪影響が及び、欧州の金融システム不安につながることが警戒される。

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