海外事例にみる銀行への敵対的買収のポイント

2022/01/14 廉 了
調査レポート
金融

SBIによる新生銀行への敵対的TOB

SBIによる新生銀行への敵対的TOBは、日本においては初めてのケース

  • SBIはもともと、新生銀行の約20%の株式を持つ大株主だったが9月9日にTOBを発表し、最大48%を取得して子会社化し、役員体制も見直すと表明。買い付け価格は1株2,000円と、直前の株価より40%近く上乗せ。
  • このTOBは、新生銀行側の了承を得ていないものであり、新生銀行は、SBIによるTOBの提案は「株主共同の利益にならない」として正式に「反対」したため、日本の銀行業界初の敵対的TOBに。
  • 新生銀行も、この敵対的TOBに対抗すべく買収防衛策の導入を発表。防衛策は、SBI以外の株主に新株予約権を割り当てることで、SBIの持ち分を薄めるいわゆる「ポイズンピル」と呼ばれるもの。

その後SBIと新生銀行は和解し、敵対的TOBは回避。新生銀行はSBIの連結子会社へ。

  • 結局、新生銀行は11月24日、SBIによるTOBに対抗するための買収防衛策を取り下げると発表し、防衛策発動の賛否を諮る臨時株主総会は中止。
  • 銀行初の敵対的買収は双方が和解したため、敵対的関係は解消され通常のTOBに。新生銀行はSBIによるTOBに対する「反対」意見を「中立」に変更し、SBIは12月8日が期限のTOBを継続。最終的に約48%を取得し連結子会社化へ。

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