2023年1~3月期のGDP(1次速報)結果~コロナの感染収束に向けた動きを反映し、国内需要を中心に回復の動きが強まる~

2023/05/18 小林 真一郎
GDP統計
GDP
国内マクロ経済

5月17日に公表された2023年1~3月期の実質GDP成長率は、前期比+0.4%(年率換算+1.6%)と3四半期ぶりにプラス成長となった。コロナの感染収束に向けた動きを反映して、国内需要を中心に回復の動きが強まったことが背景にあり、実質GDPの水準も昨年後半の横ばい圏の動きから抜け出してコロナショック後の最高額を3四半期ぶりに更新しており、ようやくアフターコロナ期に向けての第一歩を踏み出すところまで持ち直してきた。

需要項目ごとの動きを見ていくと、内需のうち実質個人消費は前期比+0.6%と堅調に増加した。内訳を見ると、新型コロナ感染の拡大が落ち着いたことで、宿泊・飲食サービス、旅客輸送、レジャーといった対面型サービスへの支出が増加したことにより、サービスは同+0.8%と堅調に増加した。また、生産制約が緩和したことで自動車の販売が増加したことなどから、耐久財は同+5.9%と大きく増加した。一方、半耐久財(被服・身の回り品など)は同-2.6%と落ち込んだ他、非耐久財(食料、エネルギー、日用雑貨類など)は同+0.7%と増加したものの、4四半期ぶりの増加であり、水準は低い。いずれも価格上昇圧力が強まっており、物価上昇を受けた消費者マインドの悪化を反映して購入を控える動きが広がっている可能性がある。

実質住宅投資は、資材価格の高騰で持家の着工が低迷している一方、貸家が増加基調にあるなど、着工戸数に持ち直しの動きがみられており、前期比+0.2%と小幅ながら2四半期連続で増加した。

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