グラフで見る景気予報 (2022年8月)

2022/08/02 調査部
グラフで見る景気予報
国内マクロ経済

【今月の景気判断】

ウクライナ情勢悪化、資源価格の高騰による下振れが懸念される中、新型コロナウイルスの感染拡大が一服したことを受けて、景気は緩やかに持ち直している。内需においては、雇用が緩やかに改善し、賃金が緩やかに増加する中、人流の増加を伴いながら個人消費は外食や宿泊サービスを中心に持ち直している。ただし、企業部門では、業績の回復傾向は維持されているものの、設備投資は横ばい圏での推移にとどまっている。また、外需においては、インバウンド需要は消失したままであるが、上海ロックダウンの影響が剥落したことで輸出は持ち直している。こうした中、足元の生産は自動車の生産制約の影響が薄らぎつつあることなどを受け、持ち直しの動きがみられる。今後は、感染拡大防止と経済活動の両立が図られる中、対面型サービスを中心に個人消費の持ち直しの動きが続くと期待されるうえ、自動車の生産制約や世界的な物流の混乱が徐々に解消に向かい、大型の経済対策の効果が現れるため、景気の持ち直しは続こう。また、製造業を中心に企業の設備投資意欲は底堅く、景気の下支え効果が期待される。ただし、感染第7波の急拡大の影響が懸念されるほか、ウクライナ危機の緊迫化による資源価格上昇や円安による物価上昇が、消費者マインドの悪化、実質購買力の低下を通じて個人消費を悪化させ、企業業績の悪化を通じて設備投資を抑制することが懸念される。さらに、資源価格高の継続、金利上昇による世界経済の減速、世界的な物流の混乱の長期化や人手不足による供給制約などが懸念され、景気回復の勢いが削がれるリスクがある。

【今月の景気予報】

今月の景気予報2022年8月

【当面の注目材料】

  • 新型コロナ関連~経済社会活動と感染対策の両立の在り方、感染第7波の行方と影響、入国制限緩和の状況
  • 個人消費~物価上昇の影響、リベンジ消費の強さと持続性、夏のボーナスを含む賃金動向
  • 企業部門~ウクライナ情勢悪化によるコスト高の業績への影響、グローバルサプライチェーン停滞のリスク、人手不足

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