アウトドアスポーツ人口拡大の鍵を握るのは?~取り組みやすいスポーツからアウトドアスポーツに誘導する仕掛けを考える~
【本稿の概要】
1.「アウトドアスポーツ」の範囲と実施状況
(1)「アウトドアスポーツ」の範囲
・本稿では、「アウトドアスポーツ」を、自然環境下(アウトドア要素)で行われる、運動競技その他の身体活動としてのアクティビティ(スポーツ要素)と定義した。
・ただし、エンジンを推進力として用いるスポーツや、プロ競技等の本格的なシーンは対象から除外した。
(2)アウトドアスポーツの実施状況
・アウトドアスポーツブームといわれているが、世論調査によると、わが国におけるスポーツ実施率上位に「アウトドアスポーツ」にあたるものは含まれておらず、振興の余地は大きいと考えられる。
2.入口となる「ベーシックスポーツ」の存在
・スポーツ人口の多くは、現在、取り組んでいるスポーツに加えて、ウォーキングや体操等の、比較的手軽かつ気軽に取り組みやすいスポーツ(ベーシックスポーツ)にも取り組んでいることが指摘できる。
3.ベーシックスポーツからアウトドアスポーツへの誘導
(1)ベーシックスポーツとアウトドアスポーツの関係性
・アウトドアスポーツ人口は、ベーシックスポーツの中でも特にウォーキング実施率が高い。
(2)アウトドアスポーツ人口増加のためのポイント
・「健康のために」、「気軽に」取り組まれるベーシックスポーツに対し、アウトドアスポーツはそれらに加えて「楽しみ」や「仲間との交流」のために取り組まれている。アウトドアスポーツ人口を増やすには、ウォーキング実施者に対して、これらの要素を提案することが効果的・効率的と考えられる。
4.アウトドアスポーツ振興の方向性
(1)ウォーキング実施者をアウトドアスポーツに誘導する仕掛け
・ベーシックスポーツに取り組んでいる人々に対して「自然に触れる楽しみ」を感じたり、「仲間との交流」が生まれたりするような仕組みやプログラムを提案することで誘導を図る。
(2)アウトドアスポーツ実施者が身近のウォーキング実施者を誘うような仕掛け
・実際にアウトドアスポーツに取り組むきっかけとしては、仲間との交流、友人からの誘いが重要となっている。アウトドアスポーツは、身体負荷も比較的高く、自然環境下における知識、経験も求められるため、当初は経験豊富な仲間と一緒に取り組むことで、初心者にとっての安心にもつながり、参加のハードルを下げていくことができる。
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