なぜギリシャは債務圧縮に成功したのか

2023/10/04 土田 陽介
調査レポート
海外マクロ経済
金融
  • ギリシャでは、2023年上期の公的債務残高の対名目GDP比率がピーク時である2020年から2割近く圧縮したように、公的債務の圧縮が進んでいる。何より高インフレが名目GDPを増幅させ、公的債務の圧縮につながった。その高インフレは、化石燃料の価格の高騰に起因する輸出デフレーターの上昇にけん引された。
  • 同時にギリシャは、他の重債務国のみならず、ユーロ圏全体を上回る高成長を実現しており、そのことも公的債務の圧縮に貢献した。中国による資本投下に加えて、構造改革の一環として投資環境整備に努めたことが外国からの投資流入の増加につながり、経済の高成長につながった。
  • インフレメリットや改革ボーナスが公的債務の圧縮につながったことに加えて、そもそもギリシャが緊縮財政を継続し、債務そのものの増加を抑制したことも、公的債務の圧縮につながっている。また、ギリシャ政府は対外債務の早期返済にも努めている。
  • このようにギリシャは公的債務の圧縮を進めているが、一方でギリシャの実質GDPは、ピーク時に比べると依然として3割近く少ないままである。EUがもっとギリシャに対して寛大な支援アプローチを取っていれば、ギリシャがここまで経済を縮小させるような財政緊縮を取らずに済んだ可能性が高い。
  • 外部の経済環境の変化を受けて、ギリシャの公的債務の圧縮テンポは今後鈍化していくと予想される。それでも、健全財政路線を堅持することで、ギリシャは今後も着実に公的債務を圧縮させていくと期待される。

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