1.コモディティ市況全般:再び持ち直しの動き
ドル建て国際商品市況全般の動向を示すFTSE・コアコモディティCRB指数は2022年6月9日に2011年9月以来の高値をつけた後、2023年5月31日には2022年1月以来の安値をつけた。その後、2024年5月28日には2022年8月以来の高値に上昇した後、やや下落したものの、再び持ち直している。もっとも、資源需要を大きく押し上げるほど世界景気に力強さはなく、コモディティ相場は底堅いながら上値は限定的とみられる。
2.エネルギー市況:やや下落傾向、足元はブレントが80ドル前後、WTIが75ドル前
国際指標のブレント原油は、2024年9月10日には、ブレントは一時68.68ドルと2021年12月以来の安値をつけ、足元は80ドル前後で推移している。中東情勢やウクライナの情勢とともに、米中の景気動向や政策対応など強弱材料の交錯が予想される中で、原油相場は、一進一退となりやすいだろう。
3.ベースメタル市況:夏場に9,000ドル割れ後、9月下旬に1万ドル超の高値
銅相場は、8月5日には8,714ドルと3月以来の安値をつけたが、9月下旬~10月上旬には1万ドル台を回復する場面があった。中国の景気刺激策や中長期的な需要増加観測など相場を支える材料は織り込み済みであり、地政学リスクや米利下げを巡る金融市場全般の動向に左右されやすい状況とみられる。
4.貴金属市況:金は9月下旬に2,600ドル台後半と史上最高値を更新
金相場は、高値更新が相次いで、2024年9月26日には2,685.42ドルと史上最高値を記録した。足元にかけて2,600ドル台を維持して推移している。米追加利下げや地政学要因など強気材料は、かなりの程度、織り込み済みとみられ、金相場は方向感が出にくい状況が続く可能性がある。
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