2019年度東海3県主要集客施設・集客実態調査~台風や新型コロナウイルス流行による活動自粛が影響し約7割の施設で集客数減少も 活動自粛期間は施設改修・清掃、SNSからの情報発信等で魅力を高め営業再開に備え~

2020/07/17 内田 克哉、加藤 千晶
独自調査
東海

三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:村林 聡)は、「2019年度東海3県主要集客施設・集客実態調査」(東海地方の主要集客施設へのアンケート調査、20年6月~7月実施:80施設が回答)をもとに、2019年度(19年4月~20年3月)の集客実態を分析しました。
尚、今年度の調査では、新型コロナウイルス流行の影響を鑑み、年度を2期間(19年4月~12月、20年1月~3月)に分けた分析および20年1月~5月の経営対策に関する状況の把握も行いました。

【結果概要】

■各施設の集客数の状況

・「ナガシマリゾート」(三重県桑名市)が、1,550万人と14年連続でトップ。梅雨明けの遅れや台風による閉園が集客数減少要因となったものの、日本初・アジア初のハイブリッドコースターとして話題を集めた遊園地の新アトラクション“白鯨”のオープン(2019年3月末)が集客増に寄与し、対前年度比では集客数に変化はなかった。

・2位は2019年度に開港15周年を迎えた「中部国際空港セントレア」(愛知県常滑市)で、約846万人。新型コロナウイルス流行の影響により20年1月~3月の集客数は対前年度比で約2割減少したものの、19年4月~12月は対前年度比で約3割増加しており、年度全体では対前年度比13.1%増となった。19年8月のAichi Sky Expoの開業や、19年9月にLCC向けの第2ターミナルが開業したことも、集客増に寄与したと考えられる。

・3位は約810万人の「刈谷ハイウェイオアシス」(愛知県刈谷市)で、新型コロナウイルス流行による外出自粛や団体観光バスの来訪激減が集客減に大きく影響し、集客数は対前年度比4.5%減となった。

・4位は約484万人の「ナゴヤドーム」(愛知県名古屋市)で、新型コロナウイルス流行に伴いイベント中止を余儀なくされたものの、19年4月~12月のコンサート開催日数の増加やシリーズイベントの実施等が集客数をカバーする形となり、対前年度比4.9%増となった。

・5位は約463万人の「国営木曽三川公園・河川環境楽園 自然発見館」(岐阜県各務原市)で、開園20周年記念事業の展開や噴水設備の新規整備が奏功し、前年度比0.1%増となった。

■対前年度比の傾向

~約7割の施設で減少、夏期の台風到来、新型コロナウイルス流行による人々の活動自粛や休業措置が集客数に悪影響~

・対前年度比では、77施設*1中、22施設(28.6%)で増加、1施設(1.3%)が維持、54施設(70.1%)が減少となった。夏期の超大型台風の影響による臨時休業・イベント中止、新型コロナウイルス流行による人々の活動自粛や休業が集客減に影響した。各施設の対前年度比の減少割合も、例年よりも大きい傾向にあり、対前年度比1割以上減少した施設の割合*2は、22施設(28.6%)であった。

・新型コロナウイルス本格流行前の、19年4月~12月では、“令和改元”に伴う祝日増加や記録的な暖冬が影響し、51*3施設中30施設(58.8%)で対前年度同期比増となった。

・増加率1位は、19年4月に全館をリニューアルオープンした「愛知県美術館*4」(愛知県名古屋市)で、公式SNSからの情報発信が奏功した。

・増加率2位の「名古屋市博物館」(愛知県名古屋市)は、19年6月22日~9月1日に開催され、夏休み期間とも重なった企画展“スヌーピーミュージアム展”が好評を博し、集客増に寄与した。

・増加率3位の「岐阜ファミリーパーク」(岐阜県岐阜市)では、19年11月~12月の週末に晴天に恵まれたことや、令和改元に伴う祝日の増加が集客増につながった。また、新型ゴーカートコースのリニューアルオープンや東海3県で最長のローラーすべり台のオープンも集客増に寄与したと考えられる。

・「豊橋総合動植物公園(のんほいパーク)」(愛知県豊橋市)や「海南こどもの国」(愛知県弥富市)、「東三河ふるさと公園」(愛知県豊川市)等、屋外施設を中心に記録的な暖冬が集客増に寄与した。一方、「飛騨の里」(岐阜県高山市)や「御在所ロープウエイ」(三重県菰野町)のような、雪景色が冬期の魅力の一つとなっている施設では集客に悪影響をもたらした。

■新型コロナウイルスの流行による影響について

◇20年1月~3月期は約8割の施設で減少

・新型コロナウイルス国内初の感染者が確認された後の期間の集客数をみると、20年1月~3月では対前年度同期比で52施設*5中、42施設(80.8%)で減少、政府による緊急事態宣言や休業要請発令があった20年4月~5月では対前年度同期比で58施設*5中、57施設(98.3%)で減少した。特に、各施設の休業措置や人々の外出・イベントの自粛、団体客のキャンセルが大きく影響した。緊急事態宣言発令前までは個人レベルでの動きはあったため、自粛中も密を避けられ、軽い運動など健康維持ができる大規模な公園など、一部施設では新型コロナウイルスの影響は微少であった。

◇外国人旅行者を集客していた施設には影響大

・新型コロナウイルスの影響が生じる前は好調であった外国人旅行者の来訪も大きく影響を与えた。「伊賀流忍者博物館」(三重県伊賀市)、「名古屋城」(愛知県名古屋市)、「新穂高ロープウェイ」(岐阜県高山市)、「飛騨の里」(岐阜県高山市)等、これまで外国人旅行者の来訪が集客数に影響していた施設では、海外からの渡航制限による外国人旅行者の来訪減少も打撃となった。

◇休校に伴う学校行事等の中止が影響、密が避けられる屋外大規模施設への影響はわずか

・新型コロナウイルス流行による小中学校の休校措置に伴い、学校行事や子ども会等の定例行事(遠足等)も中止となり、例年、これらの取り込みがあった施設を中心に、約6割の施設で集客数が減少している。一方、「海南こどもの国」(愛知県弥富市)、「岐阜県百年公園」(岐阜県関市)、「名古屋市東谷山フルーツパーク」(愛知県名古屋市)等、密を避けることができる屋外型施設を有する施設では、一時行き場のなくなった子ども連れの来訪が増加したことにより、小中学校の休校措置が集客数増加要因となった施設もあった。

◇自粛期間中も三密対策・衛生管理強化、SNS等での情報発信を通して営業再開に向けて様々な工夫と準備を実施

・20年1月~3月の新型コロナウイルス影響下の営業・経営対策として、「衛生管理の強化・三密対策」(約9割の施設で実施)の他、「施設の魅力向上(改修・清掃等)」(約5割の施設で実施)や「SNS等での情報発信」(約4割の施設で実施)を行い、来場者の安心・安全の確保に取り組んだ。

・新型コロナウイルス流行下での営業・経営対策によって生じたプラス影響もあり、「オンラインでの新たな関係構築」、「新たな働き方の導入」、「受入環境の整備」、「他施設との連携機運の高まり」(それぞれ約2割の施設で生じた)等があげられた。

・集客施設においても新型コロナウイルスの流行を契機に従業員の働き方改革が進められており、3割の施設で「従業員の時差出勤」、約2割の施設で「従業員のテレワーク」が実施(または予定)されている。

◇夏休み短縮への対応として、夏休み期間外もサービスを拡大

・期間が短縮される夏休みに向けて、三密対策は実施しつつ、イベント等の開催を予定している施設がみられる。

・夏休み期間以外(例年であれば夏休みの期間)において、ナイター営業を実施し、平日の学校や仕事の後や、休日に立ち寄ってもらえるような工夫も見られる。

(続きは全文紹介をご覧ください。)


*1 前年度の数値と比較可能な施設
*2 2018年度は8.1%
*3 前年度同期の数値と比較可能な施設
*4 前年度は改修工事のため休館期間あり
*5 前年度同期の数値と比較可能な施設


7月18日訂正|レポート内に以下の通り誤りがありました。訂正してお詫び申し上げます。
・【結果概要】
■新型コロナウイルスの流行による影響について
◇20年1月~3月期は約8割の施設で減少 の本文内
(誤)58施設*5中、56施設(96.6%)で減少した。
(正)58施設*5中、57施設(98.3%)で減少した。

・PDF内2頁
■新型コロナウイルスの流行による影響について
◇20年1月~3月期は約8割の施設で減少 の本文内
(誤)58施設*5中、56施設(96.6%)で減少した。
(正)58施設*5中、57施設(98.3%)で減少した。

・PDF内7頁
上段グラフ内、対前年同期比4月~5月(20年度/19年度)の割合
(誤)増加3.4%、減少96.6%
(正)増加1.7%、減少98.3%

・PDF内7頁
下段表内、対前年同期比4月~5月(20年度/19年度)の施設数
(誤)増加2、減少56、変化なし0
(正)増加1、減少57、変化なし0

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